「脳波が1メートル先にも届かないとすると、海外まで届くものは何なのですか」と町会長。

「僕は脳波以外にはないと推定しています。」

「しかし、脳波は1メートル先にも届かないのではありませんか」と町会長。

「科学的な常識から考えれば、そういうことになるのですが、人間が空間をとらえる能力に限界があるため、そう思われるのではないかと推定しています。」

「『人間が空間をとらえる能力に限界がある』と言いますと?」と町会長。

「例えば、普通の人間は、目に見える空間が自分の外側に広がっているように錯覚しています。」

「どこまでも広がる街並みや景色が自分の外側に広がっているように感じるのは、僕の錯覚なのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。現代科学によれば、光が眼の水晶体を通して網膜に像を結び、神経系によって脳に伝えられ、どこまでも広がる街並みや景色を見ているのです。」

「と言いますと?」と町会長。

「人間が見ているのは、どこまでも広がる街並みや景色ではありません。どこまでも広がる街並みや景色から反射される光です。」

「人間は、どこまでも広がる街並みや景色を見ているのではなく、どこまでも広がる街並みや景色から反射される光をみているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。科学的に考えれば、そういうことになります。」

「確かに、人間が見ることができるのは、光であって、物自体ではありませんね」と町会長。

「おっしゃる通りです。そして、どこまでも広がる街並みや景色は、自分の外側に広がっているように感じていると思いますが、どこまでも広がる街並みや景色は自分の脳の中にあるのです。」

「科学的に考えると、そういうことになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。脳が世界を錯覚して理解することで、人間は淘汰されずに存在しています。」

「そこに、脳が世界を錯覚して理解することの正当性があるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。人間は物自体を見ることができないのですから、人間には空間の本質を理解する能力はないと推定しています。」

「それでは、仮に、空間に脳波を海外まで伝えるという性質があったとしても、人間にはそれを把握する能力がないかも知れないということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2021/12/7

<水道後記79>
実験が必要だと思った。溝幅を10cmぐらいにすれば効果も高いと思った。配管は門の近くから北東に向かって外庭を横切り、駐車場の北西の角の近くに向かって一直線にすることにした。距離にして10mほどだ。

実験は、30メートルのポリエチレン管を7mほど埋めて、外庭にある立水栓に繋いですることにした。そして、問題が起こらなければ、そのまま配管の一部として使い、問題が起こった場合には掘り返して再実験をすることにした。<続く>

2024/11/21